時計の針を巻き戻すこと数か月。
わたしには当時8年間付き合っていた彼が居た。
結婚したいけれども、彼はどう考えているのだろう、なんて考える
悩める28歳の乙女、だった、多分。笑
年末だっていう事が無条件にわたしの気持ちを急かしていた。
普段使っているバッグの奥底にシワクチャに丸まった紙を見つけ
なんだこれ?こんな時に限って開いて中身を確認する。
「アニマル鑑定 三万円」
怪しい、怪しすぎる。しかも電話ってどういう鑑定なんだ。
意味がわからなすぎる。
でもちょっと気になった私はその紙を捨てることが出来ずに
またシワクチャに丸めてバッグに放り込んだ。
その翌日アルバイト先へ行くと、なんと特別ボーナスが支給されるとかで
バイトなのに嬉しいー!!!!と明細を開いてみたらまさかの
「三万円」
え?ナニコレ、そういうこと?
帰宅後またあのバッグのなかでシワクチャで待つ紙を開き
うーん、しばし見つめ合う。この先もフラとバイトで忙しいしなぁ。
フラ以外に欲しいものも、やりたいことも無い。
あぁ、そうだ、フラのこと聞いてみよう!
そう決めると凄い速さで電話をかけていた。
電話口の女性はシャキシャキとした関西弁のおばちゃんで
名前を聞かれた。予約完了。
え、名前だけ?それだけでいいの?やばっやっぱり怪しい!
でもまぁいいか、ドブに捨てたと思って楽しもう。
と、予約までの1か月、このことをすっかりと忘れて過ごした。